- あるものを活かし、ないものを創る
山形にいまだ多く残されている歴史や文化の形を注意深く観察し、新たな時代の要求に応えられるよう手を加え、未来へと引き継いでいきます。 - 歩いて気持ちのよいまちを創る
環境負荷低減と健康増進の観点から、まちを快適に歩くための一つの道標として、山形五堰を考えます。歩行距離圏についても考慮したまちづくりとします。 - 経済と文化の辻を創る
敷地は御殿堰が七日町大通り(R112)と交わる部分であり、山形五堰の中でも最も人通りが多く、その存在を示す随一の「アンテナショップ」となる可能性があります。
ごあいさつ
日常の生活をより快適に過ごしたいと思うのは誰しも同じでしょう。
市民はより快適な生活を求めて努力して参りました。しかし、産業革命以来の物質的充足感、物理的な利便性追求の弊害が今日の問題として浮かび上がっているように思えます。巨大な建物、広い道路、売場に山と積まれ、壁面を天井まで覆う商品。有り余る物こそが社会の進歩の証のように思われてきました。
しかし、効率は都市を無味乾燥な空間とし、利便性を追い求めたモータリゼーションは都市の破壊を起こしています。
我街山形はどうでしょうか。山形は最上百万石の城下町として栄え、歴史ある商人の街として全国に誇れるものがあります。その昔、山形で産する紅花は一級品とされ、高級紅の原料として最上川を下り酒田港へ。そして江戸へ京へと運ばれ文化的にも中央とつながっていました。山形は山形の文化を全国から認められ異彩を放っていたはずです。
そして今日、その山形らしさはどこへ行ってしまったのでしょうか。
美しい石垣を残す霞ヶ城。駒姫縁の専称寺を中心とする寺町。それらは往時の山形を彷彿とさせるのに充分かもしれません。しかし、生活の中の山形はどこへ行ってしまったのでしょうか。古の職人の技術の高さを物語る土蔵は次々に壊され近代的な建物へと姿を変えています。馬見ヶ崎川上流で取水され、市街を網目のように走る山形五堰。昔は人々の生活を潤したであろう堰は暗渠となり、その存在すら知らない市民も多くなっています。
山形市はこれから益々発展します。その発展する山形市にオアシスのような空間を創造するために「七日町御殿堰開発株式会社」を設立いたしました。市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
設計コンセプト
持続可能な商店街の、持続可能な店舗を創る